英語学習においては、最終的な目標を高く設定することが重要です。目標を「少し話せればいい」と低く設定してしまうと、上達の機会を逃してしまいます。

最適な目標は、「自分が日本語で言えることは、全て英語でも言えるようになること」です。

例えば、友人の女性が次のような話をしている場面を想像してみてください。

「昨日、父がお腹が痛いと言い出し、結局救急車を呼んで病院へ行ったんの。そしたら、盲腸炎で緊急手術をすることになったの。手術は成功して、週末には退院できるから、本当にほっとしてるわ。」

この話を英語で表現すると、以下のようになります。

“Last night, my dad started complaining about stomach pain, so we ended up calling an ambulance and took him to the hospital. It turned out to be appendicitis, and he had to undergo emergency surgery. The operation was successful, and he’s expected to be released this weekend, so I’m really relieved.”

日本語を母国語とする人であれば、この女性の発言内容の中にわからない言葉とおもいます。盲腸の具体的な位置や機能を知らなくても、「盲腸炎」という言葉から内蔵のどこかの炎症であると推測できるはずです。

もちろん、話し相手が外国人や子どもであれば、一部理解できない部分があっても、それが友人関係や信頼関係には影響を及ぼさず、まあ、日本語のネイティブスピーカーじゃないから、あるいは子供だからと敷居を下げて、意味を説明しながら会話をすることは可能です。しかし、普通に日本語ができるかどうかの判断基準としては、このレベルの話が理解できることは当然期待されているとおもいます。英語においても、同様にこの話が理解できなければ、英語ができるとは言えないでしょう。

「自分が日本語で言えることを全て英語でも言えるようになる」という目標を持っていない場合、日本語で「盲腸炎」と聞いたときに、それを英語でどう言うのかを考えて、知らない場合には調べる習慣が身につかず、英語で「appendicitis」という単語を見ても、必要ないから覚えなくていいと思ってしまうかもしれません。

この目標を持つことで、盲腸炎の英語表現を調べるだけでなく、他の内蔵の病気についても日本語で知っている単語を英語でどう言うか調べる習慣が身につきます。この習慣の有無が、英語力の向上に大きな差を生むことになります。