どんなに記憶力が良い人でも、単語を一度で見ただけで覚えられる可能性はとても低いと思われます。裏を返せば、覚えた単語はかなりの割合で忘れてしまうということです。ただ、僕の経験では、忘れるというのにもいくつかのレベルがあります。具体的にrickety という単語を例にとって考えてみましょう。この単語は日本語でいうと「今にも壊れそうなボロボロの」という意味で、a rickety shack(今にも壊れそうな小屋), a rickety bridge (今にも壊れそうな橋),のように使われますが、単語を忘れる場合には、以下のパターンが考えられます。

1. ricketyと言う単語を見た覚えがない。

2. rickety という単語は見た覚えがあるが単語の意味が思い出せない。

3. 「今にも壊れそうなボロボロの」に相当する英単語を覚えたが英語が思い出せない。

4.「今にも壊れそうなボロボロの」に相当する英単語の一部は覚えているが正確な綴が思い出せない。

パターン1 と 2、 3、 4のパターンを分けて対策を考えます。

パターン1 ricketyと言う単語を見た覚えがない

このパターンで忘れるのは、初めて単語を見た時に視覚化 すなわちイメージへの結びつけをしなかった可能性が高いです。

まず、例文を辞書で検索しricketyを使用している例文を見つけ単語の意味を理解します。

さらに、インターネットでイメージ検索を行います。例えば、インターネットでrickety bridge を検索すると、今にも崩れ落ちそうな橋のイメージが出てくるので、そのイメージを見ながら心の中で”rickety bridge”, “rickety bridge” と繰り返し言ってみます。

ここまですると、単語をまったく見た覚えがないということはなくなるはずです。

パターン2,3,4 単語を見た覚えがあるがよく覚えていない

このパターンは、僕の経験では非常によくあるパターンです。対応策として、単語を記憶するための方法の一つの連想法を使ってみます。

まず単語をさらに分割します。

  • rick
  • et
  • y

y はricketまで思い出せば、自動的に思い出すと思われるので、今回はrick と et を覚えるようにします。具体的には、 あなたが知っている名前がRickで始まる人(俳優や歌手)と映画の ET、及び、rickety を適用した単語で構成された文を作成し、頭にイメージを浮かべます。一例を挙げると、

崩れそうな橋の上でRick が ETと合っている

このシーンを頭でイメージし、じっくり眺めるようにします。

このイメージが極端なほど記憶に残るので、自分の頭の中で空想の赴くままに、イメージを作成してかまいません。例えば、

崩れそうな橋の上でRick が ETと相撲を取っている。

崩れそうな橋の上でRick が ETとボクシングをしている。

このシーンが頭に入ると、単語を思いだそうとする際には、

  1. Rick とETがボロボロの橋のイメージが頭に浮かぶ
  2. Rick ET から rickety を再構成

という手順で単語を自動的に思い出すことができます。ちなみに、ricketsはくる病を意味します。もしくる病がどんな病気がご存知の場合には、rick とETがくる病になって、ボロボロの橋を歩いている姿を想像すれば、くる病という単語も一緒におぼえられます。

一つの単語を覚えるのにこんなに工数がかかるのと驚かれる人もいるかと思いますが、慣れてくると覚えること自体が楽しくなってくるので、ぜひ試してください。